
「薬剤師に将来性はあるの?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、本当に薬剤師が飽和しているのか気になりますよね。もし飽和しているのであれば、きちんとした対策が必要です。
そこで本記事では、薬剤師の将来性に関する以下の項目について、詳しくご説明します。
- 薬剤師の現状
- 【職場別】薬剤師の将来性
- 薬剤師の将来性を伸ばすためにできること
- 薬剤師のキャリアアッププラン
- 薬剤師が転職エージェントを利用するメリット
この記事を読めば薬剤師の現状がわかるだけでなく、薬剤師として生き残れる人材になるためのヒントを得られます。
現在薬剤師として働いている人はもちろん、これから薬剤師を目指す人もぜひ参考にしてみてください。
薬剤師に将来性はある?薬剤師の現状を徹底分析
まずは、薬剤師の現状を徹底分析します。現在薬剤師がどのような状況に置かれているのか、客観的な視点で確認していきましょう。
- AIの普及
- 薬剤師の飽和
- 有効求人倍率は低下傾向
- ドラッグストア業界は成長傾向
AIの普及
薬剤師の現状を語るうえで、AIの普及は外せません。薬剤師のおもな仕事内容として、調剤業務が挙げられます。
すでにAIによる業務を導入している病院もあるため、今後ますますAIの普及が進んでいくでしょう。
しかし、薬剤師のメイン業務である服薬指導や相談対応などは、まだ人間の力が必要です。

薬剤師の飽和
薬剤師は専門性の資格かつ安定した収入が見込めるため、人気の高い資格のひとつとして挙げられます。
厚生労働省の調査によると、2018年に薬剤師の求職者数が3,205人・求人数は17,874人でした。
一方、2020年には薬剤師の求職者数が3,734人・求人数は12,715人となっています。つまり、薬剤師として働きたくても働けない人が飽和している状態です。

※参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html
有効求人倍率は低下傾向
薬剤師の有効求人倍率は年々低下しています。有効求人倍率とは、求職者1人あたりに対して求人が何件あるか示す指標です。
しかし、2020年になると有効求人倍率は3.41倍にまで減少しています。薬剤師1人に対して、およそ3.4件しか求人がありません。

※参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html
ドラッグストア業界は成長傾向
薬剤師が飽和状態・求人倍率が年々減少傾向にある一方で、成長傾向にある業界も存在します。そのひとつが、ドラッグストア業界です。
店舗が増えるたびに利益を生み出していると考えられるでしょう。ドラッグストア業界が成長すれば、薬剤師の求人数も増加するメリットがあります。

【職場別】薬剤師の将来性
ここからは、薬剤師の将来性を職場別にご紹介します。薬剤師のおもな職場4つをそれぞれ詳しく確認していきましょう。
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- 病院
- 製薬企業
調剤薬局
調剤薬局で働く薬剤師の数は年々増加傾向です。2014年には161,198人だったのに対し、2018年には180,415人とおよそ2万人ほど増加しています。
調剤薬局の薬剤師として生き残るためには、薬剤師としての役割をより追求する必要があります。
高齢化社会の日本では、在宅医療の需要が高まっている現状です。地域に根ざした薬剤師や専門性の高い薬を扱う薬剤師がより求められるでしょう。

ドラッグストア
先述の通り、ドラッグストア業界は成長傾向です。そのため、薬剤師の求人数も今後さらに増えていくことが予想されるでしょう。
なぜなら、ドラッグストアで働く薬剤師はさまざまな仕事をこなせる人材が求められているからです。
例えば、調剤業務や服薬指導はもちろんのこと、経営やマーケティングにも携わる場合があります。場合によっては、シフト作成・管理なども行う必要があるでしょう。

病院
ほかの職場と比較すると、病院で働く薬剤師の将来性は明るいといえます。高齢化社会に突入した日本では、医療の需要が大きく高まっています。
しかし、病院の薬剤師はより専門性が求められます。例えば専門病棟では、感染症やがんなど高度な医薬品の知識が必要です。
病院の薬剤師として働くなら、専門知識を身につけることが求められます。

製薬企業
製薬企業で働く薬剤師の数は減少傾向です。医薬品関連企業の従事者数は2014年に43,608人だったのに対し、2018年には41,303人に減少しています。
また、薬価改定による影響も少なくありません。薬価改定によって、製薬企業が利益をもたらしにくくなったことも考えられます。

※参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html
薬剤師をとりまく環境の変化
薬剤師をとりまく環境の変化にはどのようなものがあるのでしょうか。ひとつずつ確認していきましょう。
登録販売者の需要増加
登録販売者とは、一般用医薬品を販売できる資格です。薬剤師が不在の場合でも、かぜ薬や鎮痛剤など第2・第3類の医薬品であれば販売できます。
ドラッグストアでは第2・第3類の医薬品を多く取り扱っているため、登録販売者が求められやすい現状です。
登録販売者の数が増えると、薬剤師にも大きなメリットをもたらします。登録販売者がいれば薬剤師の業務に専念できるため、業務の負担を軽減できるでしょう。

AIで代用できる業務
AIの普及によって、薬剤師の業務がAIに取って替わることもあるでしょう。例えば、調剤業務や医薬品の在庫管理などが挙げられます。
「AIに業務が代用されることで、すぐに薬剤師を辞めさせられるのでは…?」と不安に感じる人もいるでしょう。
また、患者さんの気持ちに寄り添って話を聴くことはAIにはできません。

IT・デジタル化
技術の発展により、今後ますますIT・デジタル化の促進されるでしょう。例えば、現在は処方箋は紙ベースで発行されていますが、将来的にデジタルが主流になると予測されています。
しかし、アナログに慣れていた薬剤師にとって、IT・デジタル化は慣れるまで時間がかかってしまう場合があるでしょう。
IT・デジタル化に慣れていないと業務に支障をきたしてしまうため、早いうちから慣れておくと安心です。

薬学生の教育スタンス
薬学生の教育スタンスは変容しつつあります。実際に、2006年から薬学部は4年制から6年制となり、教育課程が2年延びました。
6年制のカリキュラムのなかには、半年以上の実習が義務づけられています。そのため、より実践的な経験を積んだ人材が増加していくでしょう。

育児・介護と両立しやすい環境の整備
女性薬剤師が増加傾向にあるため、育児と仕事を両立しやすい職場が増えています。例えば、時短勤務ができる職場や託児所完備の職場が挙げられるでしょう。
育児・介護と仕事が両立できれば、キャリアを諦めることなく薬剤師を続けられます。

将来性のある薬剤師になるためのキャリアプランの例をご紹介
薬剤師として一通り仕事ができるようになると、自分の方向性や次のキャリアプランを考えたくなりますよね。
将来性のある薬剤師を目指すためにはどのようなプランがあるのでしょうか。ここでは、薬剤師のキャリアプランをご紹介します。
管理職になる
管理薬剤師や主任薬剤師、薬剤部長など管理職を目指すキャリアプランは一度は思い浮かべたことがありますよね。
病院薬剤師であれば、年功序列で主任薬剤師や薬剤部長に昇進するケースもあります。

管理薬剤師は、調剤薬局からスタートし、その経験から規模を拡大して探していくと、マネジメントを経験しながら学ぶことができます。
専門性を高める
薬剤師としての専門性を高めたいと感じた場合、特定の分野の知識を積み上げていくのがいいでしょう。専門知識を習得することで、他の薬剤師と差別化でき、管理職の足掛かりとなる場合もあります。
日本薬剤師会の認定薬剤師・専門薬剤師の分野は下記の5分野があります。
- がん
- 感染制御
- 精神科
- 妊婦・授乳婦
- HIV感染症
独立する
薬剤師は、調剤薬局を開局・運営することができます。
企業での運営は不採算とみなされていても、集中率の関係から個人の収入としては十分な売り上げを確保できる店舗も多いとか。
しかし独立するとなると、経営や経理など、薬剤師業務以外もこなす必要があります。

薬剤師の将来性を伸ばすために個人ができることは?
薬剤師の将来性を伸ばすためには、何ができるのでしょうか。具体的な4つの方法をそれぞれ詳しくご紹介します。
- コミュニケーション力を磨く
- 専門性を高める
- マネジメント業務に挑戦する
- キャリアプランを考える
コミュニケーション力を磨く
薬剤師として生き残るためには、コミュニケーション力を活かすとよいでしょう。患者さんの気持ちに寄り添える薬剤師になれば、AIに代替されることなく働けます。
コツコツと積み上げていく能力なので、時間がかかることは認識しておきましょう。
コミュニケーション力を磨く方法として、患者さんのニーズを会話のなかから判断していく方法が有効です。必要であれば、書籍や研修などでコミュニケーション力を磨いてみてください。

専門性を高める
需要の高い薬剤師になるためには、専門性を高めるのもおすすめです。専門性が高いとほかの薬剤師と差別化できるでしょう。
認定薬剤師になるためには高度な知識とスキルが必要とされるため、資格の勉強をしながら実務に役立てられるでしょう。

マネジメント業務に挑戦する
薬剤師の将来性を高めるために、マネジメント業務に挑戦するのもおすすめです。ほかの薬剤師をたばねる立場になるので、替えの効かない人材を目指せます。
マネジメント業務に挑戦する際は、管理薬剤師を目指すとよいでしょう。
管理薬剤師になるとほかの薬剤師や従業員をまとめる立場だけでなく、医薬品の管理も行います。

キャリアプランを考える
キャリアプランを考えるのも有効な手段です。キャリアプランを作成すると目標が整理され、能動的な姿勢で仕事に取り組めます。
転職のプロが親身に相談にのってくれるため、今後自分がどのような道に進むべきかヒントを得られるでしょう。

薬剤師が転職エージェントを利用するメリットをご紹介
転職したいと感じても、忙しさからついつい面倒になってしまうこともありますよね。初めての転職でなにから始めたらいいかわからない方もいるかもしれません。
ここでは、薬剤師が転職エージェントを利用するメリットをご紹介します。
アドバイザーのサポートがある
エージェントに登録すると、担当アドバイザーが転職のサポートを行います。
アドバイザーがヒアリングを行いながら求人を探していくのですが、ヒアリングは自身の考えを整理する時間にもなります。
他にも、質問があればアドバイザーに聞くことで、すぐに解決することができます。
さまざまな手間を省ける
転職活動と聞くと、面倒だなという印象を持つ方も多いのでは?
求人探し、履歴書や職務経歴書の作成、見学の日程調整、面接の調整、内定後の書類のやり取り、その他入職先とのやりとりなど、やるべきことが多岐に渡ります。
そんな時にエージェントに登録しておくと、代行して行ってもらえることが多くなります。
- 見学や面接の日程調整
- 履歴書の提出代行
- 施設側とのやりとり
- 求人探し、求人紹介
- 条件交渉
アドバイザーは、転職活動における秘書的立場でサポートを行っています。

事前に内部情報を知ることができる
転職活動でハードルになるのが、失敗に対する恐怖ですよね。特に以前の転職で失敗した方や初めて転職する方は不安が大きいでしょう。

内部情報はなかなか表に出てこないため、アドバイザーを上手に活用しましょう。
非公開求人を見ることができる
非公開求人とは、倍率の高い希少な求人や好条件の求人を、より適した方に紹介できるよう非公開としている求人のことです。

非公開求人は自社の転職サイトに登録している会員にのみ公開されるため、登録を行っておくだけでも、良い求人に巡り合えるかもしれません。
薬剤師のキャリアプランも相談可能!おすすめの転職エージェント3選
お仕事ラボ
- 転職先企業への定着率が95.6%※
- 利用者満足度が90%超え※
- 薬剤師に特化した転職支援サービス
お仕事ラボは、紹介後の定着率が95.6%※と高い水準を誇るサイトです。転職先の事情を把握した担当者から具体的なアドバイスをもらうことができます。
転職後のサポートも行っているため、転職した先で誰にも相談できず、ひとりでガマンしなければいけないという心配もありません。

※公式サイトより
運営会社 | 株式会社アクシス |
主なサービス(機能) |
|
公開求人数※2021年4月28日時点 | 23,242件 |
拠点 | 東京 |
※出典:公式サイト
マイナビ薬剤師
- 利用者満足度No.1の実績※
- 人気の求人が見つけやすいシステム
- 薬剤師の転職に関するコラムが充実している
マイナビ薬剤師は、利用者の満足度No.1※を誇るサイトです。かかりつけアドバイザーとして転職準備からアフターフォローまでを徹底サポートしてくれます。
公式サイトも薬剤師の転職に関するコンテンツが豊富なので、転職活動の息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。

※薬剤師の人材紹介サービス15ブランドにおける調査。実査委託先:楽天インサイト(2020年10月)
運営会社 | 株式会社マイナビ |
主なサービス(機能) |
|
公開求人数※2021年4月28日時点 | 36,513件 |
拠点 | 東京 |
※出典:公式サイト
ファルマスタッフ
- 薬剤師に選ばれる転職サイトNo.1※1
- 便利な専用アプリあり
- 土日には来社不要のWeb相談会が開催されている
ファルマスタッフは、薬剤師に選ばれる転職サイトNo.1※1を誇っているサイトです。スキマ時間に情報収集ができる専用のアプリもリリースされています。
転職相談満足度は96.5%※3と高く、ひとりひとりとしっかり向き合う個別相談なので、希望や悩みをじっくりヒアリングしてくれます。
また、来社不要のWeb相談会は土日も開催されているので、これから転職を始めようか迷っているならまずは相談会に参加してみてはいかがでしょうか。

※1:日本マーケティングリサーチ機構調べ(調査月:2019年7月)
※2:公式サイトより
※3:お客様満足度調査アンケート(2018/7/25〜8/22実施)
運営会社 | 株式会社メディカルリソース |
主なサービス(機能) |
|
公開求人数※2021年4月28日時点 | 61,684件 |
拠点 | 札幌/宮城/埼玉/神奈川/東京/千葉/愛知/京都/大阪/兵庫/広島/福岡 |
※出典:公式サイト
よくある質問
お仕事ラボやマイナビ薬剤師、ファルマスタッフなどがおすすめです。いずれも経験豊富なアドバイザーが薬剤師としての転職をサポートしてくれます。無料で登録・利用出来るため、ぜひチェックしてみてください。
薬剤師が働く職場には、おもに調剤薬局・ドラッグストア・病院・製薬企業の4つが挙げられます。職場によって薬剤師の将来性は異なるでしょう。比較的将来性が明るい職場は店舗数が増加傾向にあるドラッグストアだといわれています。
薬剤師の現状としてAIの普及が挙げられます。AIが普及されることにより、薬剤師の仕事が取って替わることもあるでしょう。しかし、AIの普及によって人的ミスが減り、薬剤師の負担が軽減されていくメリットもあります。AIと上手に向き合いながら、仕事を進めていくことが大切です。
求人数の減少や有効求人倍率の低下など、薬剤師の就職・転職は容易なものではありません。しかし、薬剤師以外のキャリアを考える必要は今のところないでしょう。どのような薬剤師になりたいのか、深く考えることが重要です。
薬剤師に将来性がないわけではありません。高齢化社会に突入した日本では、今後ますます医療の需要が高まると予測されます。医療需要が高まれば、薬剤師が求められる機会も増えるでしょう。あまり悲観的にならず、自分にできることを考える方法がおすすめです。
薬剤師があまる時代に備えるために、コミュニケーション力を鍛える必要があります。患者さんに寄り添える薬剤師を目指して能力を磨いてみてください。また、専門性を磨くのも有効な手段です。資格取得をはじめとしたスキルアップを通じて、薬剤師としての価値を上げていきましょう。
薬剤師のスキルアップにおすすめの資格として、認定薬剤師が挙げられます。高度なスキル・知識を身につけられるでしょう。認定薬剤師の資格を取得したあとは、専門薬剤師や指導薬剤師の道があります。興味があ人はこれらの資格もチェックしてみてください。
薬剤師に特化した転職サービスに登録すると、キャリア相談にのってもらえます。キャリアプランに迷ったら、転職のプロに相談してみてください。また、自分に合った求人を紹介してくれるのも転職サービスに登録するメリットです。自分で求人を見つける時間がない人に向いています。
まとめ
今回は薬剤師に将来性があるのか、薬剤師をとりまく現状や環境の変化などを踏まえながらご紹介しました。
求人数の減少や有効求人倍率の低下など、薬剤師になるための状況は容易ではありません。しかし、高齢化社会によって医療の需要が高まるため、薬剤師は今度も求められるでしょう。
薬剤師の将来性を高めるためには、コミュニケーション力や専門性を磨く必要があります。資格取得も視野にいれながら、薬剤師としての価値を上げていくとよいでしょう。

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記事内では無料で利用できるおすすめの転職エージェントも紹介したため、ぜひチェックしてみてください。