
「派遣薬剤師の働き方を知りたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。正社員・契約社員のような直接雇用とは異なる派遣薬剤師は、高時給・柔軟な働き方などのメリットがあります。

そこで本記事では派遣薬剤師に関する以下の項目をご紹介します。
- 派遣薬剤師とは
- 派遣薬剤師として働くメリット・注意点
- 派遣薬剤師として働くまでの流れ
- 派遣薬剤師におすすめの転職サービス
この記事を読めば派遣薬剤師のメリットがわかるだけでなく、実際に派遣薬剤師として働くヒントを得られるでしょう。
派遣薬剤師としてこれから働きたいと考えている人はもちろん、薬剤師の転職を視野にいれている人もぜひ参考にしてみてください。
派遣薬剤師とは?
そもそも、派遣薬剤師とはどのようなものなのでしょうか。以下の4点に沿って詳しく解説します。
- 雇用主
- 働く期間
- 待遇
- 職場
雇用主
派遣薬剤師の大きな特徴が雇用主です。一般的に正社員や契約社員、アルバイト・パート勤務は直接勤務先が雇用主となります。
勤務時間の管理や有給申請なども派遣会社を通して行われる場合が多いので、派遣薬剤師として働く場合はよく確認しておくとよいでしょう。

働く期間
派遣薬剤師として働く場合、同じ勤務先で働けるのは最長3年です。労働派遣法によって派遣期間は明確に定められていることを認識しておきましょう。
契約終了となった場合でも派遣会社に新たな派遣先を探してもらうことが可能です。事前に希望条件を伝えておくとスムーズです。

待遇
「派遣には福利厚生がない」と誤解されがちですが、派遣であっても派遣会社が定める福利厚生を受けられます。
産休育休制度も条件を満たせば取得できるので、安心して働けるでしょう。なお、退職金やボーナスは支給されないケースが多数見受けられます。

職場
派遣薬剤師が派遣される職場は調剤薬局・ドラッグストアが中心です。それぞれの特徴を詳しく説明します。
調剤薬局
調剤薬局の派遣求人は比較的多い傾向にあります。そのため、希望条件に合致した求人を見つけやすいでしょう。
また、調剤薬局は土日祝日がお休みとなる職場がほとんどなので、ワークライフバランスを充実させたい人にも向いているしょう。

ドラッグストア
ドラッグストアの魅力は給料が比較的高いことが挙げられるでしょう。全国的に見ても店舗数が多く、営業時間が長いので求人を見つけやすいのもポイントです。
また、業務の幅が広いのも特徴です。調剤業務だけでなく、販売接客やマーケティング業務を行うこともあるため、多彩なスキルを身につけられます。
なお、労働派遣法の規定により病院や診療所などの派遣は原則禁止されています。

派遣薬剤師の年収を解説
働き方が選択できるため、それぞれ環境が異なる派遣薬剤師ですが、年収は知ってきたいですよね。パート薬剤師との違いも気になるところです。ここでは派遣薬剤師の年収を解説します。
派遣薬剤師は時給が高い!
派遣薬剤師の求人を見ると、時給2500~3500円の記載が多かったです。3000円以上の高時給求人もあり、派遣薬剤師の需要の高さがうかがえますね。
仮に時給3000円で1日8時間勤務、週4日稼働した場合、月収は約38万円、年収は約460万円となります。
週5日稼働の場合は年収約570万円という計算になります。
薬剤師の平均年収は565.1万円であり、平均年収すらも上回る可能性があります。
※厚生労働省:職業情報提供サイトより

パート薬剤師より高時給が期待できる
パート薬剤師に求人を見ると、時給2000~2500円が相場といえそうです。
また、時給に関しては、派遣会社に依頼すれば交渉して金額が上がる場合もあります。希望の仕事をしながら、高時給で働ける現場はメリットが多いですね。

派遣薬剤師のメリット
派遣薬剤師にはどのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれのメリットを詳しく解説します。
- 給料が高い
- 残業が少ない
- ライフスタイルに合わせられる
- 求人を探しやすい
- さまざまな職場で働ける
- 仕事の悩みを相談しやすい
1.給料が高い
派遣薬剤師の時給は高額に設定されている場合が多い傾向です。なかには、時給3000円以上の職場も少なくありません。
正社員で働くよりも派遣薬剤師として働くほうが多くの収入を得られることもあるでしょう。
派遣薬剤師の給料が高い理由として、働く期間が限定されていることや高度なスキルが求められることが挙げられます。

2.残業が少ない
派遣薬剤師は比較的残業が少ない点がメリットです。正社員と違って決められた時間内で働くことが定められています。
なお、派遣薬剤師の勤務時間は派遣会社によって管理されます。

3.ライフスタイルに合わせられる
派遣薬剤師は勤務日数や勤務時間などの希望条件を聞き入れてもらいやすいメリットがあります。
正社員・契約社員のようにフルタイムで働くことが難しい場合でも、派遣薬剤師ならライフスタイルに合わせて働けるでしょう。

4.求人を探しやすい
求人を探しやすいのも派遣薬剤師の特徴といえるでしょう。正社員転職の場合は自ら志望先の職場にアプローチする必要があり、時間や労力がかかりがちです。
入社日や勤務日数・勤務時間などの調整も派遣会社が行ってくれるので、転職活動を効率的に進めたい人におすすめです。

5.さまざまな職場で働ける
派遣薬剤師として働く場合、ひとつの職場で働けるのは最長3年です。そのため、さまざまな職場で働けるメリットがあります。
なお、職場が定める条件を満たせば、正社員として就業できる道もあります。

6.仕事の悩みを相談しやすい
派遣薬剤師は勤務開始後であっても、派遣会社のスタッフとやりとりする機会があります。
もし職場に対して改善してほしいことがある場合は、派遣会社のスタッフが代わりに職場へ交渉してくれるのもメリットです。

派遣薬剤師にはどの職場が良い?それぞれの職場を解説
派遣薬剤師の職場はさまざまですが、働きやすい職場を選びたいですよね。ここでは、派遣薬剤師が担う業務やそれぞれの職場の特徴をご紹介します。
病院
病院での業務は、労働者派遣法により、派遣社員は原則業務を行えません。
しかし、将来的に直接雇用が決まっている「紹介予定派遣」や、休業中の職員に変わって業務を行う「産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務」であれば、業務が可能です。
派遣薬剤師は、外来患者への薬剤指導が主な役割となりますが、代替で派遣されている場合は調剤までを担う場合もあります。
調剤薬局
派遣社員の求人が最も多いのが調剤薬局です。調剤薬局は少人数で業務しており、担当する業務も分担されているため、働きやすいでしょう。
- 投薬
- 服薬指導
- 薬歴入力
- 処方監査
薬局によって薬品の配置やルールが異なるため、調剤は直接雇用の薬剤師が行うことが多いです。
調剤の経験や薬剤師歴が長い派遣薬剤師でも、物の位置やルールを短期間で把握することは難しいため、一般的には調剤を任されることは稀です。

ドラッグストア
ドラッグストアは近年店舗数が増加しており、調剤併設の店舗も増えているため、薬剤師が不足している現状があります。そのため、比較的高時給な求人が多い傾向にあります。
- (調剤併設のドラッグストアの場合)調剤、服薬指導
- ドラッグストアの接客や品出し
- OCT医薬品の説明や販売業務
薬剤師数が少ないため、調剤や投薬などすべての業務を行うドラッグストアが多いです。
お客さんから見るとだれが店員でだれが薬剤師か見分けがつかないため、品物の位置などを質問されることがあります。
企業薬剤師
企業薬剤師の派遣求人はほとんどありません。企業薬剤師は、近年注目されていることもあり、正社員やパートの求人でも数が少ないと言われています。
派遣業務として、募集される可能性がある業務は下記になります。
- DI業務
- 学術対応
- 医薬品卸
製薬会社は外資系企業が多いため、英語力が必要になる場合が多いです。

派遣薬剤師の注意点
一方、派遣薬剤師として働くにあたって、どのような注意点があるのでしょうか。ひとつずつ確認していきましょう。
- 雇用期間が定められている
- 希望条件に合致しない場合がある
- 即戦力を期待されている
- 派遣切りの心配がある
1.雇用期間が定められている
派遣薬剤師として働く際、雇用期間が明確に設定されている点には注意しましょう。ひとつの職場で働き続けられるのは3年が限度です。
そのため、雇用期間が明確に定められていることを常に念頭に置く必要があります。

2.希望条件に合致しない場合がある
派遣薬剤師は勤務日数や勤務時間などの希望条件を比較的伝えやすい雇用形態です。しかし、すべての希望条件に合致する職場があるとは限りません。
派遣会社のスタッフは極力希望条件に合致して職場を探してくれるものの、時には条件を下げて職場を探す柔軟性も求められます。

3.即戦力を期待されている
派遣薬剤師を募集している職場は即戦力を求めているケースが多い傾向です。そのため、入職後にプレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。
過度なプレッシャーはストレスの原因につながります。ストレスが積み重なってしまうとイライラや不安感など精神面に影響を与える可能性が高くなるでしょう。

4.派遣切りの心配がある
派遣薬剤師として働く以上、派遣切りの心配がある点には気を付けてください。
なお、契約終了となった場合は速やかに次の職場を探す必要があるでしょう。

派遣薬剤師として働くまでの流れ
ここからは、派遣薬剤師として働くまでの流れをご説明します。派遣薬剤師の働き方を視野にいれている人はぜひ参考にしてみてください。
転職サービスに登録する
まずは薬剤師に特化した転職サービスに登録します。登録はそれぞれの転職サービスのWEBサイト上で行うことがほとんどです。
会員登録は氏名・住所など基本情報を入力するだけなので、さほど時間はかかりません。

希望条件のヒアリング
転職サービスに登録したあとは希望条件のヒアリングが行われます。勤務時間や時給などの希望条件を聞かれる場合が多いので、事前に整理しておくとスムーズです。
また、転職サービスによっては今後のキャリアを相談できます。

求人紹介
ヒアリング内容をもとに、希望条件に合致した求人を紹介されます。この時点でわからないことがあれば積極的に質問しましょう。
提案された求人内容に納得がいけば求人の応募に進みます。派遣会社のスタッフに応募したい旨を伝えましょう。

職場の顔合わせ
応募が完了したら、希望先の職場と顔合わせを実施します。求人票には掲載されていない情報を知ることができるので、不明点があれば質問してみてください。
なお、転職サービスによっては顔合わせに同行してくれるところもあります。

雇用契約
顔合わせで双方の合意がいけば、無事に雇用契約を結びます。
派遣先での就業条件をよく確認したうえで雇用契約を結びましょう。特に、勤務時間や日数などの条件を要望していた人は確認必須です。

仕事開始
雇用契約を結んだらさっそく仕事開始です。派遣薬剤師は即戦力を期待されている場合が多いので、初日から張り切って仕事を進めていきましょう。
なお、勤務開始であっても困ったことが生じたらいつでも派遣会社のスタッフに相談してください。

派遣薬剤師として働くのが向いている人・向いていない人
派遣薬剤師として向いている人はどんな特性や考え方なのでしょうか。向いていない人も合わせて紹介します。
派遣薬剤師に向いている人
まずは派遣薬剤師への転職が向いている人からご紹介します。
いろんな職場を経験したい・スキルアップしたい方
派遣薬剤師の職場は調剤薬局やドラッグストアがありますが、職場によって働き方や取り扱う薬品も異なります。

また、薬剤の効能を最大限に発揮できる内服管理や症状のヒアリング力など、スキルアップのためには学びを深める必要がありますよね。
短期間・短時間で高収入を得たい方
派遣薬剤師は、1つの職場に最長で3年までの勤務となり、多くの場合3ヶ月~半年の勤務となります。
次の就職までの期間のみの就労、自分に合った職場探しなど短期間の労働環境を希望している場合は派遣薬剤師が向いています。

収入面では、時給2500円代の求人が多く、スキルや経験によっては時給3000円以上となる求人もあります。働く時間によっては正社員の月収を上回る場合もあり、効率的に収入得たい方には最適の働き方です。
ワークライフバランスを重視したい方
子育てや介護、趣味等があり仕事をしながらプライベートを重視させたい方は派遣薬剤師に向いているでしょう。派遣薬剤師は、収入も高くスキルも身につくうえに、勤務時間や勤務日数を調整できます。
プライベートが落ち着いてきたら、派遣で得たスキルを活かして転職することもできますよ。
さまざまな人と関わりたい方
さまざまな職場で働くことになるため、同僚はもちろん利用者や客層も全く変わってきます。そのため、いろんな人と話すことが好きな方は派遣薬剤師に向いているでしょう。

派遣職員は業務について自分から質問したり、責任者に報告することが多いため、コミュニケーションスキルを磨く練習にもなります。
経験があり即戦力となれる方
薬剤師としての経験が長かったり、資格やスキルを保有している方は即戦力として働けるため派遣薬剤師に向いています。経験があれば、不慣れな職場でも業務をスムーズにこなせますよね。
向いてない人
派遣薬剤師に向いていない人は以下の特徴が挙げられます。
管理職としてのキャリアを目指している方
管理職を目指している方は、一定の経験が必要かつ正社員として働かなければなりません。

さまざまな職場で働くというよりは、その職場での業務改善や指導を担っていく働き方の方が合っています。
環境を変えることが苦手な方
環境が変わると極度に緊張してしまったり、臨機応変に対応できない方も派遣薬剤師には向いていないでしょう。人手不足で即戦力を求めている職場が多く、派遣職員を気遣う余裕がないこともあります。

また、派遣先がどんどん変わっていくことに対してストレスを感じる方には、安定している正社員か、直接雇用のパート職員の方が合っているかもしれません。
経験年数が少ない、ブランクがある方
派遣薬剤師を募集する施設は、ある程度の説明をしたら、自分で質問しながら業務ができる方を求めています。人員不足のために派遣業務を依頼してくる施設も多く、指導する余裕はない場合がほとんどです。
派遣薬剤師におすすめの転職サービス3選
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よくある質問
派遣職員も期間中は施設職員として見られますし、施設側からも同様の扱いを受けることになります。
無断欠席や遅刻を繰り返したり、情報伝達ができないことが続くと、派遣職員として働き続けることが難しくなります。
ミスがあった場合は誠心誠意謝罪し、今後はミスがないよう気を付けましょう。
業務内容はメモにまとめるなど、他施設と混同しないような工夫が必要です。
むしろ年齢が高ければ経験や知見が豊富であり、即戦力となりやすいため需要があります。
まとめ
今回は派遣薬剤師の概要やメリット・注意点、派遣薬剤師におすすめの転職サービスなどをご紹介しました。
派遣薬剤師は正社員よりも高時給である場合が多く、勤務日数・勤務時間などの希望条件を比較的聞き入れてもらいやすい雇用形態です。
しかし、雇用期間に制限がある点には気を付けましょう。希望条件にこだわりが強ければ求人の選択肢が狭まってしまうのも注意が必要です。

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