
さまざまな業界の中でも、製薬会社は給与水準が高く高収入を実現しやすいです。
しかし、企業によって年収は異なるため、製薬会社の年収ランキングなどを参考・目安にして転職活動するのがおすすめです。

そこで今回は、製薬会社の年収ランキングを紹介します。
- 製薬会社の年収ランキング
- 製薬会社の年収が高い理由
- 製薬会社への転職におすすめの転職エージェント
製薬会社がなぜ高収入なのか、その理由や日系・外資系企業の違いについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
製薬会社の年収ランキング
今回は、以下の大手製薬会社15社の有価証券報告書を比較し、年収ランキングを作成しました。
- ソレイジア・ファーマ株式会社
- ペプチドリーム株式会社
- サンバイオ株式会社
- シンバイオ製薬株式会社
- 武田薬品工業株式会社
- 株式会社モダリス
- 大幸薬品株式会社
- そーせいグループ株式会社
- アンジェス株式会社
- 小野薬品工業株式会社
- アステラス製薬株式会社
- 中外製薬株式会社
- 大塚ホールディングス株式会社
- 第一三共株式会社
- エーザイ株式会社
それでは順に見ていきましょう。
会社名 | 平均年間給与 | |
---|---|---|
1位 | ソレイジア・ファーマ株式会社※1 | 1,490万円 (2021年12月31日時点) |
2位 | そーせいグループ株式会社※2 | 1,228万5,728円 (2021年12月31日時点) |
3位 | シンバイオ製薬株式会社※3 | 1,194万1,000円 (2021年12月31日時点) |
4位 | 中外製薬株式会社※4 | 1,155万8,455円 (2021年12月31日時点) |
5位 | 株式会社モダリス※5 | 1,144万5,000円 (2021年12月31日時点) |
6位 | 第一三共株式会社※6 | 1,116万8,555円 (2021年3月31日時点) |
7位 | アンジェス株式会社※7 | 1,078万2,296円 (2021年12月31日時点) |
8位 | 武田薬品工業株式会社※8 | 1,076万6,000円 (2021年3月31日時点) |
9位 | サンバイオ株式会社※9 | 1,071万6,000円 (2021年1月31日時点) |
10位 | アステラス製薬株式会社※10 | 1,051万4,375円 (2021年3月31日時点) |
11位 | 大塚ホールディングス株式会社※11 | 1,045万5,476円 (2021年12月31日時点) |
12位 | エーザイ株式会社※12 | 1,042万4,202円 (2021年3月31日時点) |
13位 | 小野薬品工業株式会社※13 | 937万3,132円 (2021年3月31日時点) |
14位 | ペプチドリーム株式会社※14 | 882万6,000円 (2021年12月31日時点) |
15位 | 大幸薬品株式会社※15 |
763万7,586円 |
※2:そーせいグループ株式会社 有価証券報告書
※3:シンバイオ製薬株式会社 有価証券報告書
※4:中外製薬株式会社 有価証券報告書
※5:株式会社モダリス 有価証券報告書
※6:第一三共株式会社 有価証券報告書
※7:アンジェス株式会社 有価証券報告書
※8:武田薬品工業株式会社 有価証券報告書
※9:サンバイオ株式会社 有価証券報告書
※10:アステラス製薬株式会社 有価証券報告書
※11:大塚ホールディングス株式会社 有価証券報告書
※12:エーザイ株式会社 有価証券報告書
※13:小野薬品工業株式会社 有価証券報告書
※14:ペプチドリーム株式会社 有価証券報告書
※15:大幸薬品株式会社 有価証券報告書
年収1,000万円を超える企業が多い
今回のランキングは製薬業界のトップ企業であるため、入社するハードルは非常に高いものの年収を1,000万円を超える企業が大半でした。
なお、ランクインした企業の中でも、平均年齢が40歳を超えている企業がほとんどですが、勤続年数にはばらつきがあります。
国内の大手企業の中には勤続年数15年前後と、長期間働くことを評価されて年収が高くなっていると考えられるでしょう。
転職するハードルは高い
製薬会社の年収は多い傾向にありますが、転職などで入社するハードルは非常に高いです。
特に研究職は専門的な知識・スキルが求められるため、未経験では転職条件を満たせないことも少なくありません。また、薬学課程を修了していることも条件になっていることがほとんどです。
他にも、実務経験が必須である求人が多く、そもそも中途採用をしている企業の数は少ないです。
研究職種以外でも、専門的な知識が求められることは変わりません。薬学課程の修了が条件にない場合でも、未経験の求職者は募集していないことは多いです。

職種によっても給与水準は異なる
製薬会社の中でも、研究職と営業職などの職種によって給与水準は異なります。医薬品の営業として医療関係者に製薬の正確な情報提供をするのがMRという仕事です。
MRは、同じ営業職でも他の業界と比較すると高い水準になっています。企業により方針は異なりますが、営業の成果によってインセンティブがつくことも多く高収入を目指しやすい職種です。
研究職は営業職と比較すると、インセンティブは得にくいものの給与水準が高く、安定しています。しかし、他の業界の研究職・技術職と比較すると、給与水準は高めに設定されています。
製薬会社の年収が高い理由
専門的な知識が求められるから
製薬会社の従業員は、専門的な知識を求められることが多いです。新薬の開発だけでなく、製薬の営業社員(MR)も適切な知識がなければ新薬の案内ができません。
また、適切に薬の内容を案内できなければ、重大な医療事故に繋がる可能性があります。
さらに、新薬の開発になると薬学に関する大学を卒業したレベルでも足りない場合があります。研究など日々の業務と並行して新しい知識も蓄えなければなりません。

精神的な負担が大きいから
製薬関連の仕事は、医療現場で活躍しています。薬の取り扱いは人命が関わっているものもあり、重病の薬でなかったとしても副作用により服用者の人生が大きく変わるかもしれません。
そのため、製薬会社の従業員が受けているプレッシャーは非常に大きいです。開発だけでなく、MRは正確な情報を適切に伝えなければなりません。
このような期待とプレッシャーが精神的負担となっており、それに見合う給与でなければ優秀な人材を確保できないことから、年収水準は高くなっています。
利益率が高いから
製薬会社の年収が良いのは、医薬品の利益率が高いことも大きく関わっています。もちろん新薬の開発には大きな予算が必要になりますが、売れてヒットすることでさらに大きな売上になります。
薬によって原価はバラバラですが、開発費用に対して原価は非常に低いことが多いため、新薬によってはかなり高い利益率になるのです。
また、製薬会社が所属している市場の規模も大きく、薬は国内だけでなくグローバルで展開される可能性もあるため、動くお金そのものが大きいです。
このように、開発にかかる初期費用は高額になるものの、一度製品化できれば非常に利益率が良いため、高い年収に反映されているのです。
製薬会社の年収は日系と外資で異なる?
製薬会社の年収は、企業の種類によっても異なり、概ね日系企業よりも外資企業の方が年収は高い傾向にあります。
日系企業の場合、年齢・勤続年数などが大きく給与に関わる年功序列式になっていることが多いです。
現在では、実力主義・成果主義の企業も増えていますが、外資系企業と比較するとまだまだ少ないでしょう。
他にも、外資系は日系よりも住宅補助・退職金制度などの福利厚生が充実していません。そのため、能力・実績・成果などが高ければ、給与にそのまま還元されることが多いです。
このように外資系は保証に関する制度は少ないものの、成果などが反映されやすくなっています。
つまり、外資系の製薬会社に転職すれば必ず高い年収を得られるというわけではなく、その中で努力して成果を上げる必要があります。
製薬会社への転職は転職エージェントがおすすめ
製薬会社への転職を目指すなら、転職エージェントの利用がおすすめです。ここでは、転職エージェントを利用するメリットについて解説していきましょう。
理想の仕事を紹介してくれる
転職エージェントは基本的に無料で利用でき、求人紹介や選考書類の添削、模擬面接などの対策といったサポートを受けられます。
一般的な転職エージェントの場合、Webなどで申込・登録を済ませると、担当のキャリアアドバイザーとカウンセリング・面談を実施します。
転職エージェントを使わずに転職活動をする場合、転職サイトや企業の採用情報をチェックするなど、自分で求人を探さなければなりません。
製薬業界に絞っても、各求人を確認するのは非常に手間がかかります。転職エージェントを活用すれば、転職のプロが自分の代わりに求人を探してくれるため効率良く転職活動を行えます。
仕事をしながらでも求人を探してもらえるため、良い条件の求人が見つかったら転職するという選択もできるでしょう。自身の転職時期に合わせて求人を紹介してもらえるのもメリットです。

一般公開されていない非公開求人を保有する場合がある
各転職エージェントには、一般公開していない非公開求人を多く保有している場合もあります。非公開求人は登録したり面談を受けたりしないと、情報を閲覧できない求人のことです。
非公開求人は、公開すると応募が殺到するような好条件のものや、新規事業の人材募集や重要ポストなど、クライアントの企業が情報を伏せたい求人などが含まれます。
このような非公開求人は、キャリアアドバイザーとの面談後に紹介してもらえるケースが多いです。
転職エージェントによって非公開求人の数や割合は変わります。また、他の転職サイト・転職エージェントでは扱っていない、独占的な求人を保有している場合もあります。
そのため、自分に合った転職エージェントを見つければ、転職の成功率は高くなるでしょう。
求人票に載らない情報を入手できる場合がある
転職エージェントを利用することで、求人票にない情報を入手できる場合があります。
利用する転職エージェントや担当者によっても違いはありますが、得られる情報量は自分1人で活動するよりもはるかに多いです。
例えば、自分1人で活動する場合、主な情報源は転職サイトの情報か、企業の採用ホームページなどに限定されるでしょう。
しかし、転職エージェントの場合、キャリアアドバイザーなどの担当者が実際に企業を訪問し採用担当者と面談をしています。
そのため、どのような人材が欲しいのか、その企業の状況はどうなのかといった詳しい情報を把握しているのです。
また、複数の企業と商談をしているため、企業単体だけでなく業界全体にも詳しいです。

応募書類の書き方や面接のアドバイスをしてくれる
転職エージェントを活用すると、内定を獲得するための適切なサポートを受けられることは大きなメリットです。
一生懸命時間をかけて応募書類を書いたとしても、主観的になり過ぎているなど応募先の企業にとって魅力的になっていない、欲しい人材であると感じてもらえないケースは多いです。
1人で転職活動をしていると、書類選考で落ちた場合でもその原因を知ることはできません。そのため、試行錯誤を繰り返しながら自分で課題を見つけて改善する必要があります。
効果的に自己PRできるような応募書類の書き方をアドバイスしてもらえるため、書類選考を突破できる確率アップが期待できるでしょう。
また、サポートを受けられるのは書類の作成・添削だけではありません。書類選考を通過し面接に進んだ場合も、模擬面接などで事前に対策を実施してくれます。
自分で試行錯誤し改善する手間が省け、応募する企業に合った自己PR方法を教えてくれるため、選考を突破したり内定を獲得したりしやすいです。
企業と交渉をしてくれる
転職エージェントを利用した場合、基本的に企業とのやり取りは担当のキャリアアドバイザーを通して行います。
連絡の手間が省けるだけでなく、適切なコミュニケーションを取れるのも大きな魅力です。
さらに、選考に進んだときにも面接の日程調整なども代行してくれます。自分と企業の間に入ってくれることで、効率良くやり取りが進みます。
自分で企業との交渉を行うのは難しいと考えている人でも、転職エージェントを利用すれば簡単に交渉できます。
このとき、自分の希望を叶えるためにも、年収や転職時期(入社日)などについて、担当のキャリアアドバイザーとよく話しておくのがおすすめです。
また、退職の手続きなど内定後のフォローが充実している転職エージェントもあります。どういったサポート内容か、事前にチェックしておきましょう。
製薬会社への転職を目指す人におすすめの転職エージェント6選
リクルートエージェント
求人数の多さで選ぶなら、リクルートエージェントがおすすめです。リクルートエージェントでは10万件以上の求人を保有しています。
リクルートエージェントに登録したら積極的に非公開求人を紹介してもらうとよいでしょう。
また、求人数の多さを誇るリクルートエージェントは、業種・職種の幅が広いのも特徴です。
営業や事務、企画職などオーソドックスな求人はもちろん、インストラクターやネイリストなど珍しい求人も取り揃えています。

公開求人数※2021年8月26日時点 | 124,911件 |
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主な機能 |
|
利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
出典:https://www.r-agent.com/
doda
効率的に転職活動を進めたいならdodaがおすすめです。dodaは転職サイトと転職エージェント両方の性質をあわせ持っている特徴があります。
一般的な求人サイトでは求職者が求人を閲覧し、選考を進めていきます。しかし、案件紹介や選考のサポートをしてほしい場合は、新たにエージェントサービスを登録しなくてはなりません。
履歴書・職務経歴書の書き方をアドバイスしてくれるほかにも、面接対策を徹底してくれるので初めての転職を考えている人におすすめの転職エージェントです。

公開求人数※2021年8月26日時点 | 11,276件 |
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主な機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
出典:https://doda.jp/
マイナビエージェント
大手人材会社マイナビが運営しているマイナビエージェントは、IT系技術職・機械や電気系技術職・金融・営業に強い転職エージェントです。
さらに職種に関しては、IT・インターネット・通信系や機械・電気系と営業系をメインで扱っている点が特徴です。
目指したい業種・職種のなかに、IT系技術職・機械や電気系技術職・金融・営業が含まれていれば、マイナビエージェントの登録を検討してみてください。

公開求人数※2021年8月26日時点 | 28,536件 |
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主な機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
出典:https://mynavi-agent.jp/
お仕事ラボ
- 転職先企業への定着率が95.6%※
- 利用者満足度が90%超え※
- 薬剤師に特化した転職支援サービス
お仕事ラボは、紹介後の定着率が95.6%※と高い水準を誇るサイトです。転職先の事情を把握した担当者から具体的なアドバイスをもらうことができます。
転職後のサポートも行っているため、転職した先で誰にも相談できず、ひとりでガマンしなければいけないという心配もありません。

※公式サイトより
運営会社 | 株式会社アクシス |
主なサービス(機能) |
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公開求人数※2021年4月28日時点 | 23,242件 |
拠点 | 東京 |
※出典:公式サイト
マイナビ薬剤師
- 利用者満足度No.1の実績※
- 人気の求人が見つけやすいシステム
- 薬剤師の転職に関するコラムが充実している
マイナビ薬剤師は、利用者の満足度No.1※を誇るサイトです。かかりつけアドバイザーとして転職準備からアフターフォローまでを徹底サポートしてくれます。
公式サイトも薬剤師の転職に関するコンテンツが豊富なので、転職活動の息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。

※薬剤師の人材紹介サービス15ブランドにおける調査。実査委託先:楽天インサイト(2020年10月)
運営会社 | 株式会社マイナビ |
主なサービス(機能) |
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公開求人数※2021年4月28日時点 | 36,513件 |
拠点 | 東京 |
※出典:公式サイト
ファルマスタッフ
- 薬剤師に選ばれる転職サイトNo.1※1
- 便利な専用アプリあり
- 土日には来社不要のWeb相談会が開催されている
ファルマスタッフは、薬剤師に選ばれる転職サイトNo.1※1を誇っているサイトです。スキマ時間に情報収集ができる専用のアプリもリリースされています。
転職相談満足度は96.5%※3と高く、ひとりひとりとしっかり向き合う個別相談なので、希望や悩みをじっくりヒアリングしてくれます。
また、来社不要のWeb相談会は土日も開催されているので、これから転職を始めようか迷っているならまずは相談会に参加してみてはいかがでしょうか。

※1:日本マーケティングリサーチ機構調べ(調査月:2019年7月)
※2:公式サイトより
※3:お客様満足度調査アンケート(2018/7/25〜8/22実施)
運営会社 | 株式会社メディカルリソース |
主なサービス(機能) |
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公開求人数※2021年4月28日時点 | 61,684件 |
拠点 | 札幌/宮城/埼玉/神奈川/東京/千葉/愛知/京都/大阪/兵庫/広島/福岡 |
※出典:公式サイト
まとめ
今回は、製薬会社の年収ランキングについて詳しく解説しました。製薬会社のトップ企業の年収は1,000万円を超えているため、非常に給与水準が高いことが分かります。
しかし、その分仕事面の精神的な負担が大きかったり、専門的な知識が求められるなど入社するハードルが高かったりします。
また、業界全体として開発費用は高額であるものの、原価が安いため利益率が高いことも高収入に繋がっています。

記事内では無料で利用できるおすすめの転職エージェントを紹介したため、製薬会社への転職を目指す人はぜひチェックしてみてください。