
高校・大学・専門学校を卒業し、国家資格に合格することでようやくなることができる看護師。しかし、実際仕事のハードさや人間関係、命に係わる責任の重さに悩み、1年以内で退職を考えてしまう看護師は少なくありません。

この記事では新卒1年目の看護師の転職を成功させるポイントをお伝えします。新卒での短期離職に不安を抱えている看護師の方はぜひ参考にしてみてください。
新卒看護師は1年目で転職しても問題なし
新卒看護師は1年目で転職しても問題ないと言えるでしょう。主に以下の2つの理由から問題はないと考えられます。
- 新卒の8.6%は1年目で離職している
- 看護師は常に売り手市場
新人の8.6%は1年目で離職している
2021年3月に発表された「2020 年 病院看護実態調査」では、新卒看護師の8.6%が1年以内に職場を退職しています。
1年目での離職に対し、不安を抱く気持ちは理解できますが、特に後ろめたく感じることはありません。

看護師は常に売り手市場
短期離職をしてしまうと就職先が見つかるかどうかが不安になっていると思いますが、看護業界は常に人手不足の業界なので、心配する必要はないと言えるでしょう。
厚生労働省が発表した「第12回看護職員受給分科会資料」によると、全国都道府県別の求人倍率は2.36倍となっており、一番低い倍率である鳥取県が1.2倍となっています。

さらに、求人数が看護師の数を上回っているのが現状。短期離職をしていることは大きな問題にはならないでしょう。
看護師を1年目で辞める理由6つ
看護師を1年目で辞める主な理由は以下の6つです。
- 残業が長かった
- 職場の人間関係が合わなかった
- プライベートの時間を確保できない
- 精神的ストレスが多い
- 収入が少ない
- 看護師への適性が感じられない
残業が長かった
看護師は経験が浅いうちは仕事に慣れていないため、効率的に仕事をすることが難しいでしょう。そのため、どうしても残業が長くなる傾向にあります。
日本労働組合連合が発表した2017年看護の実態調査によると、1か月あたり20時間以上残業している人が20%ほど存在することがわかりました。

職場の人間関係が合わなかった
看護師として働き始めると、上司との関係に悩む方も多いと思います。
仕事を覚えきっていないのに、上司から無茶な指示を出され、自分のキャパシティを超えてしまうこともあるでしょう。

プライベートの時間を確保できない
看護師はハードな仕事に加え、スキル向上に向けた研修会や勉強会に参加しなければなりません。
特に1年目の看護師は、そういった研修が多く組まれています。

精神的ストレスが多い
看護師の仕事内容は患者の命に係わるものが多いので、看護師の判断に重大な責任が伴います。そのため大かれ少なかれ精神的ストレスを感じる人が多くいるでしょう。
学生の頃に病院実習をしていた時は、教員や現役看護師の監督の元、患者の処置に当たっていたと思いますが、実際に看護師になってからはそうは行きません。

収入が少ない
実際に看護師として働いてみて、給料や賞与に対し不満を感じる人もいます。
ハードな仕事内容の割にさほど高くない給与に加え、1年目は残業代が付くことは少なくありません。そのため、割に合わないと感じる人も多くいるでしょう。
看護師への適性が感じられない
看護師になりたての頃は、仕事上のことで叱責されることも多く、自分は看護師に適性がないのではないかと感じることもあるでしょう。
上司から激しく怒られたり、不条理なことを経験すると看護師を続けていくことに不安を感じるのも無理はありません。
また、新卒の看護師は看護師である前に、長時間仕事をしなければならない社会人にも慣れていません。

看護師1年目の転職を成功させる4つのポイント
看護師1年目での転職は問題ないとは言えども、勤続年数が多い人に比べると比較的厳しい面もあるでしょう。ここでは、転職を成功させる4つのポイントを紹介します。
- 退職に至った理由を突き詰める
- 前向きな気持ちで転職する
- 転職先は慎重に選ぶ
- 転職先に求める条件を明らかにする
退職に至った理由を突き詰める
転職活動の面接において必ず聞かれるのが、前職を辞めた理由です。採用側は長く働いてくれる人材を求めているので、辞職に至った理由は慎重に考えなければなりません。
また、退職理由を明確にすることは、職場選びにおいてミスマッチを防ぐことにも役立ちます。

前向きな気持ちで転職する
転職活動において重要なのは精神面です。気持ちが落ち込んでいると、チャレンジ精神が損なわれてしまうので、求人に応募する気力さえなくなってしまいます。
また、落ち込んだ状態で面接に挑んだとしてもいい印象を与えることはできません。そのため、前職場をやめた理由がどうであれ、面接に進んだ場合は前向きな気持ちをしっかりアピールしましょう。
転職先は慎重に選ぶ
転職先は入念なリサーチの元、慎重に選ぶようにしましょう。情報収集を怠ると、自分に合わない職場に巡り合ってしまう可能性が高くなります。
職場は人生の時間の大半を過ごす場所なので、妥協することなく選びましょう。
転職先に求める条件を明らかにする
転職の成功に欠かせないのが、転職先に求める条件を明確にすることです。
その他にも、キャリアップを目指していくのか、お給料がどの程度欲しいのかによっても職場選びは変わってきます。

看護師1年目で転職するなら転職サイト利用がおすすめ
看護師1年目で転職するなら転職サイトの利用がおすすめ。転職サイトの利用がおすすめな理由は以下の通りです。
- 職場の雰囲気をあらかじめ把握できる
- 看護師に特化した求人を探しやすい
職場の雰囲気をあらかじめ把握できる
転職サイトの利点は、応募する職場の雰囲気をあらかじめ把握できるということです。転職サイトでは、職場の情報がかなり細かく掲載されています。
また、転職サイトの担当アドバイザーに直接職場の雰囲気を教えてもらうことも可能。転職先の情報をより深く知りたい人は積極的にアドバイザーとコミュニケーションを取りましょう。

看護師に特化した求人を探しやすい
看護師転職サイトのメリットは、何より看護師の求人に絞って職場を探せることです。自分一人で求人を探す場合、看護師の求人をピンポイントで探すのは難しいと思います。
また、条件で求人をスクリーニングできるのも魅力です。看護師の求人の中でもさらに、自分の希望条件に合った求人のみを閲覧することができます。

看護師向けおすすめ転職サイト3選
求人数トップクラス 看護roo!
看護roo!は求人数が多いこと・キャリアアドバイザーのサポートが手厚いことが特徴です。
求人ページには、キャリアアドバイザーによる一押しポイントが載っています。職場の雰囲気を知るのに役立つと言えるでしょう。

運営会社 |
株式会社クイック |
公開求人数(※) |
61,119件 |
主なサービス |
求人紹介 |
拠点 |
東京オフィス |
施設形態 |
一般病院 |
※2022年3月30日時点
出典:看護roo!公式サイト
ナースではたらこ
「ナースではたらこ」は取り扱っている求人の種類が豊富なのが特徴。自分のキャリア志向に合わせて、多様な選択肢の中から求人を選ぶことができます。
また、「ナースではたらこ」の専属コンサルタントは地域別担当制となっています。
「ナースではたらこ」を利用すれば、希望地域の職場の詳細な情報を得ることが可能です。

運営会社 |
ディップ株式会社 |
公開求人数(※) |
94,168件 |
主なサービス |
案件紹介 |
拠点 |
東京(本社)札幌、仙台、新宿、新橋、北千住、デジレバ、渋谷、池袋、立川、町田、川崎、横浜、湘南、千葉、船橋、柏、つくば、宇都宮、大宮、熊谷、高崎、静岡、名古屋、豊橋、金山、岐阜大阪、京橋、難波、堺、京都、神戸、広島、福岡、小倉 |
施設形態 |
診療所・クリニック |
※2022年3月30日時点
出典:ナースではたらこ公式サイト
看護プロ
「看護プロ」は東海・中部・関東の看護師求人を中心に扱っている求人サイト。多くの求人サイトが平日のみ電話相談が可能なのに対し、「看護プロ」は土日祝日も相談が可能です。
また、求人のない職場にも採用への交渉をしてもらえます。確実に採用面接に進める訳ではありませんが、働いてみたい職場があれば、採用への望みをつなげることができます。

運営会社 |
株式会社ローザス |
公開求人数(※) |
7,104件数 |
主なサービス |
面接対策 |
拠点 |
東京 |
施設形態 |
一般・大学病院 |
※2022年3月30日時点
出典:看護プロ公式サイト
転職サイトの利用の流れ
転職サイト利用の流れは以下の通りです。
- 個人情報を登録する
- 初回面談を受ける
- 求人の紹介・応募
- 内定先への条件交渉
1.個人情報を登録する
看護師転職サイトでは、最初に電話番号やメールアドレス、住所などの個人情報を入力します。その次に、職場への希望条件を選んでいきます。
かかる時間はほんの数分なので、身構えることなく入力していきましょう。

2.初回面談を受ける
登録が完了した後は、担当コンサルタントとの電話面談があります。この面談から得た情報を元に、コンサルタントはあなたの希望条件に合った求人を探してくれます。
具体的に聞かれることは、転職する時期、職場への希望条件、今後のキャリアプランなどが挙げられます。

3.求人の紹介・応募する
面談の後は、コンサルタントから希望条件に沿った求人が紹介されます。給与面などの求人ページに記載されていない条件に関しては、コンサルタントが代わりに聞き出してくれます。
また、求人に応募する際には、履歴書の添削や面接練習を受けることができます。

また、面接の日程調整はコンサルタントが代わりにしてもらえます。自分でスケジューリングをしなくていいので、手間が省くことができます。
そして、採用面接を通過した場合、内定となります。
4.内定先への条件交渉
入社する日付や給与、勤務先の労働条件に関する交渉もコンサルタントが代わりに行います。選考に通過した後も、勤務が始まるまでしっかりサポートしてもらえます。
新たな職場でのスタートを安心して切ることができます。

転職サイトの活用方法3選
転職サイトはうまく活用できれば、希望通りの転職を成功させる可能性が高くなると言えます。ここでは、転職サイトの活用方法3選紹介します。
- 複数の転職サイトに登録する
- 転職に対する意欲を示す
- 自分に合った転職サイトを1社に絞る
複数の転職サイトに登録する
当記事では、転職サイトを3つほど紹介しましたが、初めは複数の転職サイトに登録しておくことをお勧めします。なぜなら、転職サイトごとに扱う求人の特色が異なるからです。
もし仮に、1つの転職サイトで自分の気に入った求人が見つけることが難しくても、別の転職サイトなら応募してみたい求人が多く見つかることもあるでしょう。

転職に対する意欲を示す
転職サイトのコンサルタントは多数のクライアントを抱えているので、転職活動に消極的であると対応が後回しになってしまいます。
コンサルタントの気持ちになってみても、積極的に動くクライアントの方がサポートしていてやりがいを感じると思います。

自分に合った転職サイトを1社に絞る
複数の転職サイトを利用した上でサイト同士を比較検討し、自分に合ったものを1つに絞ってみましょう。
なので、応募する求人が多くなりすぎないためにも、利用する転職サイトを取捨選択する必要があります。選択肢が多すぎるのも、かえって自分の判断を鈍らせてしまうからです。

看護師1年目で退職する際に注意する2つのポイント
- 短期離職はもうしないようにする
- 教育システムの実態を調べる
短期離職はもうしないようにする
1年目で離職するにあたり注意しなければならないのが、短期離職は繰り返すごとに転職で不利になるということです。転職は基本的にこれまでの職歴、スキルを元にして採用されます。
それに加え、採用側はで長く働いてもらえる人材を求めています。短期離職を繰り返すことは、長期間働いていくことに関する信用を損ねることにつながるのです。

教育システムの実態を調べる
求人に応募する際には、教育システムが整っている職場を選びましょう。その理由は、新卒で1年以内に離職した場合、経験が浅いため仕事を1から教えてもらう必要があるからです。
病院や医療施設によっては仕事が忙しく、新人を教育する余裕のないところもあります。そのような職場で仮に採用されても、仕事を覚えることは難しいでしょう。

まとめ
本記事では、新卒で1年以内に離職してしまっても、看護師業界は人手不足なので問題なく再就職することができることがわかりました。
- 退職に至った理由を突き詰める
- 前向きな気持ちで転職活動をする
- 転職先は慎重に選ぶ
- 転職先に求める条件を明らかにする
以上のポイントをしっかり押さえたうえで、転職サイトを利用しましょう。
