
働く上で楽しみなのが、いつもより収入が上がるボーナス支給日。しかし、看護師のボーナスは手取りでどれほどもらえるものなのか、ボーナス金額を上げるにはどうすればいいのかが気になると思います。
今回の記事では、以下の項目について解説していきます。
- 看護師の平均ボーナス金額
- ボーナスが高い病院へ転職する方法
- ボーナスはいつもらえるのか
- ボーナスがもらえない事例
看護師のボーナス事情とは?
ここでは看護師の平均ボーナス額を詳細に解説します。
看護師全体の平均金額
看護師の1年間にもらえるボーナス金額の平均は、85万7500円。これは夏と冬の2回のボーナス金額の合計値であり、1回分のボーナス金額は約43万円ということになります。
ただし、この数字はあくまでも平均値にすぎないので、参考程度に留めておく方がいいでしょう。最近では、新型コロナウイルスによってボーナスが少なくなることもたびたび起こっています。

病院の規模(従業員数)による平均金額
看護師のボーナス金額は、病院の従業員数によっても異なります。
- 10~99人:669,300円
- 100~999人:749,800円
- 1000人以上:935,500円

男女別のボーナス平均金額
看護師は比較的女性が就くことが多い職業ですが、近年では男性の看護師も増えています。
- 男性:836,000円
- 女性:814,000円

都道府県別の平均金額
看護師として働く地域によってもボーナスの金額は異なります。この章では、都道府県別の看護師ボーナス支給額ランキングをご紹介します。
【看護師ボーナス支給額 上位5地域】
1位 | 滋賀県 | 1,046,000円 |
---|---|---|
2位 | 栃木県 | 1,013,000円 |
3位 | 岐阜県 | 996,000円 |
4位 | 和歌山県 | 978,000円 |
5位 | 茨城県 | 968,000円 |
43位 | 大阪府 | 722,000円 |
---|---|---|
44位 | 青森県 | 717,000円 |
45位 | 長野県 | 711,000円 |
46位 | 福島県 | 681,000円 |
47位 | 宮崎県 | 672,000円 |

年代別のボーナス金額
- 新卒1年目のボーナス金額
- 経験年数別の平均ボーナス金額
新卒1年目のボーナス金額
新卒1年目の看護師がもらえる夏のボーナスの金額は、約5~10万円ほどになっています。
しかし、冬のボーナスはきちんと給料の1.5か月分支払われることが多いです。

経験年数別の平均ボーナス金額
経験年数別のボーナス金額を以下のようになっています。
【女性看護師の経験年数別ボーナス金額】
1~4年 | 72.4万円 |
---|---|
5~9年 | 81.0万円 |
10~14年 | 84.5万円 |
15年以上 | 95.2万円 |
1~4年 | 75.2万円 |
---|---|
5~9年 | 86.2万円 |
10~14年 | 106.5万円 |
15年以上 | 99.3万円 |

准看護師のボーナス金額
厚生労働省が発表した調査によると、准看護師のボーナス金額は約67万4100円でした。
准看護師の平均給与は27万円なので、ボーナスは給与の1.3~1.4か月分もらえていることになります。

看護師のボーナス査定基準
看護師のボーナスとは、勤務年数、労働時間、役職などによって決まります。
看護師以外の職業であれば業務成績によってボーナス額が決まるのが一般的ですが、看護師の場合はボーナス査定期間に働いた経験を元に査定されます。
- 勤続年数
- 労働時間
- 役職の有無
勤務年数
看護師のボーナスは、働いた年数によって決まります。1つの職場に長く所属するほど、ボーナスの金額も上がります。

労働時間
労働時間もボーナスの査定対象となります。労働時間が長い方がボーナスの金額も上がりやすいので、時短勤務よりフルタイムで働く方が有利となります。

役職の有無
役職の有無も重要な評価ポイントとなります。主任や部長といったようなポジションがついてくると、ボーナスの額は上がります。
役職が付くと仕事の責任や裁量が大きくなるので、労働の対価としての賃金が多くなるのと同じ考えです。

他の職種に比べるとボーナスが高い?低い?
看護師のボーナス額は他の職業と比べて、どれほどの水準にあるのか気になる方も多いと思います。
結論を申し上げると、他業種に比べて決して高いとは言えません。
ただし、女性の平均ボーナス額(62.8万円)と比較すると、看護師のボーナス平均額は20万以上高いです。

ボーナスが高い病院へ転職する方法3選
ボーナス支給額が多い医療機関に転職するには、市場価値を高めることと、転職時期をよく考える必要があります。
病院の従業員数もボーナス額に関係してくるので、求人を見るときには注意しましょう。
- ボーナスがもらえる時期に転職する
- 転職に有利な資格を取る
- 規模の大きい市場を狙う
ボーナスがもらえる時期に転職する
ボーナスがもらえる時期は、基本的に夏と冬の2回となります。そのため、転職を考えているならば、ボーナスの査定期間内に転職した方がよいでしょう。
なので、なるべくボーナスの査定期間の始まる月から働き始めたほうがよいでしょう。
転職に有利な資格を取る
認定看護師やケアマネージャーなどの資格は看護師として戦力になるとの評価を受けます。そのような資格をとることによって、自分の市場価値を高めることができるのです。
そうすることにより、ボーナス支給額の高い経営の安定した職場に採用されやすくなります。

規模の大きい病院を狙う
大学病院や国立病院のような規模の大きい病院は、基本給が高いため、ボーナスも高くなります。そのため、高いボーナスを手に入れようと考えるならば、月収面に着目して求人を見ていきましょう。
このような理由から、給与が高い医療機関は、非公開求人になっていることもあります。ですが、転職サイトを利用すれば、このような非公開求人の情報を得ることができます。

産休中の看護師はボーナスをもらえるのか?
看護師は女性の方が多いと思いますので、産休に入った時にボーナスがもらえるのかどうかが気になると思います。
ボーナスの査定期間内に働いていれば、たとえ産休中であってもボーナスをもらうことは可能なのです。
例を挙げると、夏のボーナスの査定期間は前年の10月から3月なので、その期間働いていた実績があれば7月にボーナスは支給されます。

ボーナスをもらいたい場合は、なるべく査定期間が終わってから産休に入るようにした方がいいでしょう。
退職した看護師はボーナスをもらえるのか?
ボーナスの査定期間内に働いた後に退職した場合、ボーナスがもらえるのかということは気になるポイントだと思います。
なので、ボーナスを確実に受け取りたいのであれば、ボーナス支給日まで働いていた方がいいでしょう。しかし、引き留めの口実として、ボーナスの話題を出されることも多いです。

看護師はボーナスを何に使う?使い道3選
いつもより収入が多くなるボーナス支給日。使えるお金が多くなるので財布のヒモが緩みがちになると思いますが、いったいどんな使い道があるのか見ていきましょう。
- 旅行
- ショッピング
- 貯金
旅行
看護師のボーナスの使い道として、旅行に行くことが多いです。普段は夜勤も多く忙しい看護師にとって、旅行は羽を伸ばすいい機会になりますよね。
温泉にゆっくり浸かり、普段見ることができない景色を見ることによって、英気を養うのもいいですね。

ショッピング
旅行の次にボーナスの使い道として挙げられるのが、ショッピングです。いつもより多くお金が入ると、欲しいものが買えるのがいいですよね。
仕事がある日は仕事で1日の大半が埋まってしまうので、自分の楽しみのために時間を使うのは難しいものです。

貯金
ボーナスを貯金に回す看護師も多いです。
例えば、結婚や引っ越しにも多額のお金がかかります。将来に備えておくためにも、貯金額は多いに越したことはないでしょう。

看護師の給与は高いイメージがある理由
看護師の男女比の割合は、女性が92.2%・男性が7.8%程で女性の割合が多いのが現状です。※なので、看護師は女性の活躍が目覚ましいという印象が強いでしょう。
そういった背景から、看護師は稼ぎがいいというイメージが強くなっています。
しかし、このデータは女性に限ったものなので、看護師は男性の平均年収と比べて決して給与が高いとは言えません。

ボーナスがもらえない2つの事例
ここでは看護師の中でもボーナスがもらえない事例を紹介します。
- 個人経営の医療機関に勤めている場合
- パートとして働いている場合
個人経営の医療機関に勤めている場合
規模の大きい病院の場合、ボーナスを支給することが規則として定められています。しかし、個人病院やクリニックではボーナスを支給することが特に決まりとして定められていません。
職場の雰囲気が温かく、働き方の融通が利きやすいのが個人経営の職場の魅力です。ですが、収入の側面は規模の大きい病院に比べて乏しいことが多いです。

パートとして働いている場合
パートタイムで働く場合は、ボーナスがもらえないことが大半です。
パートタイム勤務の場合、働く時間をコントロールしやすいので、子育てに忙しい主婦の場合はメリットは大きいです。しかし、収入面では正社員として働く方が有利です。

まとめ
看護師のボーナス金額は、月収の1.3~1.5倍ほどもらえることが多く、ボーナス査定期間に働いた経験に基づいて査定されます。
ボーナス支給額は、勤務年数、勤務時間、役職の有無によって決まります。ひとつの職場に長く務めたり、キャリアアップを目指すことが金額アップの有効な手段です。
規模の大きい病院は収入が高く、ボーナス額も高いので、高いボーナス額を狙うのであればそういった病院への転職を狙ってみましょう。
個人経営の病院に勤めている場合や、パートとして働いている場合はボーナスがもらえない可能性があるので注意してください。
